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漢方耳寄り講座 第5回 生薬って植物だけなの?


  漢方薬の原料となる「生薬」。なんとなく名前だけきくと、「生薬=植物」というイメージがありませんか?
  実際に葉っぱや根など植物性のものが圧倒的に多くの割合で使用されていますが、動物性のものや、鉱物も生薬として漢方薬に使用されています。

 たとえば、安中散(漢方胃腸薬)に含まれるボレイ。カタカナで書くとピンときませんが、漢字で書くと牡蠣。そう、海のミルク・かきの貝殻のことです。胃酸の出すぎを抑え胸やけを中和する成分として活躍しています。
  また、麻杏甘石湯にも使われるセッコウ。まさか石膏?と思いきや、そのまさかが正解。
  建築用の石膏ボードは「防火用」目的で使われますが、漢方薬としては「熱さまし」に使われます。どっちも似たような働きがあるところがおもしろいですね。

 他にも、ありとあらゆる意外なものが生薬として活躍しています。
  日本の漢方薬に使われている生薬は比較的「まし」なほうですが、本場中国では「正体を知らないほうがよかった」なんていう生薬もありますので、勇気のある方は調べてみると面白かもしれません。

担当:川村

漢方耳より講座 バックナンバー
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第18回 夏の「三伏」と根本治療
第17回 とっても大事な「脾」について
第16回 「陰陽」のバランスがいい? 四川火鍋
第15回 「風邪=ふうじゃ」について。その2
第14回 「風邪=ふうじゃ」について
第13回 漢方胃腸薬の香りの秘密
第12回 葛根湯と汗の関係
第11回 秋の行楽と尿トラブル 2009年10月号
第10回 よく聞く実、虚って? 2009年9月号
第9回 バリア機能「気」 2009年8月号
第8回 夏に消耗する「気」 2009年7月号
第7回 夏に気になるダイエット 2009年6月号
第6回 体内の湿気をふせぐには 2009年5月号
第5回 生薬って植物だけなの?2009年4月号
第4回 せきに効く、麻杏甘石湯! 2009年3月号
第3回 漢方薬は効き目が遅い?2009年2月号
第2回 ムズムズ不快な鼻水に小青竜湯!2009年1月号
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