漢方耳寄り講座 第14回 「風邪=ふうじゃ」について
2月は東京でも何度か雪が降り厳しい寒さが続きましたが、ようやく春らしいぽかぽかとした陽気になってきました。
春は花粉症の方にはつらい季節ですが、前回書いたとおり、「風邪(=ふうじゃ)」にも注意が必要です。
昔から「三寒四温」という言葉もあるとおり、春先は温度変化がおおきく、体調管理が難しい季節でもあります。さらに花粉症などで「気」の力が落ちていると、簡単に風邪の侵入を許し、かぜをひいてしまいます。
初夏に向けてだんだんと気温が高くなっていきますので、春のかぜは熱っぽい症状を呈することがおおいとされ、ゾクゾク寒気のする「葛根湯タイプ」ではない事が多くなります。季節ごとに風邪がつれてくるほかの邪気の性質が異なるからです。
ただし、冬でも春でも睡眠や食事に気をつけ、「気」を十分に養っていれば風邪に侵入されにくくなります。
とくに風邪が活発になるとされる春、暖かいからと油断をせずに、冬以上に体調管理には気をつけてください。
担当:川村
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