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漢方耳寄り講座 第21回 中国の漢方薬処方


  日本でも多くの方が病院で処方される漢方薬を服用していると思いますが、その中身はすでにエキスを抽出して乾燥させた後飲みやすく顆粒(または錠剤)にした「エキス製剤」がほとんどです。
 手軽に服用できて便利な反面、「甘草の量を減らしたいな」とか、「葛根をなくして、かわりに桂枝を入れたい」とか、調整がしにくいのが難点です。

 中国の漢方病院の場合、日本と同じように既に出来上がったエキス製剤を処方することもありますが、多くは「葛根○○グラム、桂枝○○グラム・・・」のように、医者が一から処方を組み立てるオリジナル処方を用います。
患者さんは、自宅で煎じる場合は「生薬」を処方してもらい、それが大変な場合は生薬ごとのエキス顆粒を処方してもらいます。

このように、自由度が高く患者ごとの症状にあった漢方薬を処方しやすいのが特徴ですが、患者としてはちょっと面倒くさいのが難点です。

 多くの家庭で、自宅で煎じる道具とノウハウを持っているところはさすが中国というべきかもしれませんが、苦い味が嫌で、子供たちが漢方薬をあまり飲みたがらないのは一緒かもしれません。

担当:川村

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